消化器病センター  < 病院の案内
  ■消化器病センターの診療方針と特色
消化器病センターは消化器疾患の診断と治療を担当している。診療に際しては、各種消化器疾患に対するガイドラインに基づいた標準的医療の提供をめざし、十分な説明と納得のうえでの患者さん本位の診療を心がけている。

毎朝のカンファレンスには消化器外科医、放射線科医をはじめ、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、医療ソーシャルワーカーなどパラメディカルも参加し、疾患の診断や治療方針だけではなく、患者さんを取り巻く背景や退院計画などについてもディスカッションを行い、地域社会に密着した診療提供を目指している。

■主な診療分野
食道、胃、大腸、直腸、肝臓、胆道、膵臓などの消化器癌の診断から治療までを主に行っている。早期胃癌や早期大腸癌の一部では内視鏡的粘膜切除(EMR)を行なっている。外科手術ではガイドラインに基づく標準手術を心がけている。また、患者さんの身体への負担の少ない鏡視下手術を積極的に採用している。胆嚢結石や虫垂炎の多くの症例で鏡視下手術を行っており、早期胃癌や大腸癌、直腸癌、大腸憩室症の一部にも積極的に採用している。総胆管結石は内視鏡的結石除去後に2期的に鏡視下胆嚢摘出を行なっている。鏡視下手術は年々増加し、2006年の1年間で全身麻酔下手術症例の約33%を占め、大腸癌で48%、直腸癌で38%、胆嚢結石で69%、急性虫垂炎で78%であった。

がん化学療法にも積極的に取り組み、外来がん化学療法室を設置し、外来通院によるがん化学療法も多数行なっている。

救急疾患にも対応しており、消化管出血や急性腹症などの救急患者には緊急内視鏡下止血術や緊急開腹術も行い、重症例は集中治療室での血液浄化法などの高度医療が成果を挙げている。また、最近では急性胆嚢炎や急性虫垂炎に対しても積極的に緊急腹腔鏡下手術がなされるようになってきた。

なお、手術は消化器疾患だけでなく、肺疾患(肺癌、気胸)、乳腺疾患(乳癌)、内分泌疾患(甲状癌、副甲状腺腫瘍)に対しても行っている。

主な疾患の過去6年間の手術成績(累積5年生存率)は以下のごとくである。

   胃癌――― 進行度 T 100%、 U 75%、 V 18.2%(4年生存率)、W 24.2%(2年生存率)

   大腸癌―― 進行度 T 100%、 U 69.2%、 V 40.4%、 W 8.7%

   肝癌――― 肝切除術 87.7%、 焼灼術(RFA,MCN) 83.3%


■外来診療
外来診療は火・木・金・土曜日の午前中で完全予約制である。「かかりつけ医」との密接な連携を図り、手術症例の紹介や内視鏡、CT・MRIなどの特殊検査を要する患者の紹介および救急患者など幅広く診療している。また、外来がん化学療法室を設置し、がん患者さんの生活の質(QOL)を考慮した外来がん化学療法を積極的に行っている。第一、第三の金曜日の午後からは肝臓内科の専門外来があり、第四木曜日の午後からは乳腺外来がある。

■病棟診療
毎朝、7時30分よりコメディカルも参加するカンファレンスが行われ、入院患者の診断や治療方針についてディスカッションがなされる。回診は、日曜日も含め、毎日行われている。入院後の早期社会復帰を目指し、平均入院日数は約13日である。

■内視鏡的治療
身体への負担の軽微な種々の内視鏡的治療も積極的に行っている。

1.食道静脈瘤 →  内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)

2.上部消化管出血 → 内視鏡的止血術(HSE、クリップ止血法、純エタノール局注法)

3.早期胃癌 → 内視鏡的粘膜切除術(EMR)

4.大腸ポリープ( 早期大腸癌 ) → 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)粘膜切除術(EMR)

5.総胆管結石症 → 内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)下に胆管結石摘出術

6.内視鏡的胃瘻造設術(PEG)

■スタッフ
氏 名
職 位

所属学会

専門分野
田辺 元 院長

医学博士
日本消化器外科学会指導医
日本外科学会指導医
九州外科学会評議員
九州肝外科学会評議員
消化器外科
肝・胆・膵
今村 博 副院長
消化器病センター長
医学博士
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本肝胆膵外科学会
日本胃癌学会
日本癌学会
日本癌治療学会
消化器外科
肝・胆・膵
盛 真一郎 科長
医学博士
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会
日本消化器内視鏡学会
日本内視鏡外科学会
日本肝胆膵外科学会
消化器外科
肝・胆・膵
堀之内 信 科長 日本放射線学会専門医
日本MRI学会
日本内視鏡学会
画像診断
血管造影治療
中村 直英 非常勤

日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本内科学会認定医

消化器内科
胃・大腸
飯野 聡 医長
医学博士

日本外科学会専門医
日本消化器外科学会
日本胸部外科学会
日本消化器内視鏡学会
日本内視鏡外科学会

消化器外科
肝・胆・膵
川崎 洋太 医員 日本消化器外科学会
日本外科学会
消化器外科

■消化器病センター手術症例(2006年1月〜2006年12月)


全症例
354
全麻症例
266例
硬・腰麻症例
21例
局麻症例
67例
■全麻症例の疾患別手術件数
1.食道疾患

2例

食道癌
(2例)

2.胃疾患

22例

胃癌
(21例)
胃癌穿孔例
(1例)

3.小腸疾患

9例

絞扼性腸閉塞症例
(4例)
単純性腸閉塞症例
(5例)

4.虫垂疾患

24例

急性虫垂炎
(23例)
虫垂カルチノイド
(1例)

5.大腸疾患

51例

大腸癌
(37例)
大腸穿孔例
(7例)
大腸憩室
(5例)
その他
(2例)

6.直腸疾患

23例

直腸癌
(13例)
直腸脱・内痔核
(8例)
肛門周囲膿瘍
(2例)

7.肝疾患

7例

肝細胞癌
(4例)
転移性肝癌
(1例)
肝損傷
(1例)
肝のう胞
(1例)
8.胆道系疾患

75例

胆嚢結石症
(56例)
総胆管結石症
(10例)
胆嚢癌
(2例)
胆管癌
(5例)
胆嚢ポリープ
(2例)

9.膵疾患

2例

膵癌
(1例)
急性膵炎
(1例)

10. 乳房疾患

4例

乳癌
(4例)

11. 甲状腺、副甲状腺疾患

5例

甲状腺腫瘍
(5例)

12. ヘルニア症

51例

鼠径ヘルニア
(39例)
大腿ヘルニア
(8例)
腹壁瘢痕ヘルニア
(3例)
閉鎖孔ヘルニア
(1例)

13. その他

79例

肺癌
(4例)
縦隔気腫
(1例)
急性腹膜炎
(4例)
廃用症候群(胃瘻造設)
(52例)
辱創
(3例)
その他
(15例)


■鏡視下手術の疾患別手術件数
腹腔鏡下胆嚢摘出術
40例
腹腔鏡下虫垂切除術
18例
腹腔鏡補助下胃切除
1例
腹腔鏡補助下結腸切除術
16例
腹腔鏡補助下直腸切除術
10例
腹腔鏡補助下直腸切断術
1例
腹腔鏡下腸閉塞解除術
2例
腹腔鏡下RFA
1例
全症例

89例


■消化器病センター検査症例
上部消化器内視鏡検査
1726例
EMR
16例
止血術
38例
異物除去
3例
大腸内視鏡検査
968例
EMR
142例
内視鏡的胆管膵管造影
(ERCP、EPBD)
46例
胆道ステント
8例
経皮的胆道ドレナージ
(PTCD、PTGBD)
17例
全症例

2964例