1995年の阪神大震災以降、自然災害のみならず列車脱線事故などの人的な大災害が相次ぎ、災害医療や救急医療の重要性が再認識されています。出水郡医師会においても災害医療や救急医療の充実を図るべくさまざまな活動を行なっていますので昨年の活動状況をご紹介します。 救急の日(9月9日)に因み市町村と出水郡医師会共催で毎年災害訓練が行なわれていますが、昨年も9月9日に阿久根新港で救助ヘリコプターまで参加した大地震を想定した大規模訓練が行われました。消防隊をはじめ医師会の先生方も多数参加されましたが、みなさん近年の不安定な世情に不安を抱かれているせいか、かなり真剣な訓練でした。起こってはならないことですが、万が一この地域で大規模災害が発生しても被害を最小限にとどめるものと期待されました。 翌9月10日には一般の方々を対象にした救急処置に関する講演会を開催しました。「とっさの時の救急処置」と題する当院麻酔科部長の山下順正先生の講演は、題名通りの誰でも簡単にできるさまざまな救急処置についてのお話で好評を博しました。 10月15日には当院でも大規模災害訓練が行なわれました。負傷者多数の大きな交通事故を想定した訓練で、この詳細は本紙11月号に掲載しましたが、院内のみならず消防など関係機関との連携が大切であることを学ぶよい機会になりました。一週間後には「災害時対応」と題した講演会も開催され、職員の学びを深めることができました。 年末には救命処置の講習会を開催しました。12月3日は一次救命処置、翌日は二次救命処置についてでした。 |  12月3日土曜日の午後3時からはじまった一次救命処置講習会には、郡内医療施設職員(看護師、介護職など)のほかに消防関係者、学校関係者(保健担当)など50名が受講されました。いきなり目前で人が倒れ心肺蘇生の場面が展開されるシュミレーションに、会場内に緊張感が走りました。その後、わかりやすい講義と約20名のインストラクターによる実習で、受講者たちはおおいに勉強となったようです。AED(自動体外除細動器)の使い方までを実習でき、3時間後の終了時には「是非、またやってください」の声もたくさん寄せられました。 翌日は朝9時から夕方5時半まで二次救命処置講習会が行なわれました。受講者は郡医師会員16名に阿久根市民病院と出水市立病院の勤務医8名で、総勢24名の医師ばかりの講習会は県内でもかつてない規模とのことでした。そのためインストラクターは県内外から12名のドクターを含む総勢30名に参加していただきました。講習は4グループに分かれ実技主体の内容で、一次救命処置に始まり気管内挿管による気道確保、心電図波形診断、鑑別診断、救急薬剤の使用方法など、より高度な二次救命処置についての実習でびっしりのスケジュールで行なわれました。受講者は老いも若きもみな真剣に受講され、この地域の先生方の地域医療に対する意気込みを再認識させられました。基本的なことはわかっていても、とっさの時は身体が思うように動かないと実感しましたが、同感された方がいらっしゃいました。繰り返しの訓練の必要性を今更ながら思い知らされました。 今後もさまざまな取り組みを行い、地域での災害・救急医療のさらなる充実を図っていきたいと思っています。 (文責:田辺) |