| 今回から、臨床検査の面からみた健康のまめ知識をお伝えしようと思います。今回は尿量と病気について述べてみたいと思います。 尿検査は腎・尿路系の検査のなかで最も重要かつ基本的な検査です。尿は採取が容易で、いつでも採取できるという利点があります。また、尿の成分を定性、定量することは、腎尿路系の疾患のみならず他の疾患、たとえば肝臓病や糖尿病などで欠くことのできない検査です。 ◆1日の尿量 …500〜2,000mlが目安(参考:大まか約1ml/kg/hr)飲食物や発汗の程度によって著しく変動する。 2,000ml以上…多尿 500ml以下…乏尿 100ml以下…無尿 ◆排尿回数 …普通4〜6回 1日2回以下あるいは、10回以上は病的 頻尿…尿量の増加がなくて排尿回数のみ増加 尿閉…腎機能障害はなく、尿排泄の停止するもの 尿失禁…不随意に排尿の行われるもの 昼間尿量と夜間尿量との比…健常者では普通3:1〜4:1 回数も夜間が少ないのが常である。夜間多尿は心腎機能低下の初徴である。(昼間は運動、消化などのため心拍出力が相対的に低下し、夜間回復して腎血行が良好となるため) 尿量の変動…水分摂取量、腎の濃縮力、腎から排泄される溶質の量、ホルモンによって決定される。 |  ◆尿量および排泄回数の異常 1) 多尿…糖尿病、尿崩症、萎縮腎、アミロイド腎、腎盂炎、神経系疾患(脳腫瘍、脳炎) 2) 乏尿…急性腎炎、ネフローゼ、心不全、急性熱性疾患、高度の嘔吐、発汗、下痢 3) 無尿…腎炎、ネフローゼ等の重症の場合(真性無尿症)結石・腫瘍などによる尿路閉鎖(偽性無尿症)、不適合輸血、ショックなど 4) 頻尿…膀胱炎、前立腺炎、尿道炎、腎盂炎、神経性(夜間は少ない)など 5) 尿閉…前立腺肥大、膀胱腫瘍、結石輸尿屈曲、脳または脊椎疾患による膀胱麻痺 等。 【参考文献】 『臨床検査提要』金原出版(株) 『新・検査マニュアル(エキスパートナース)』小学館 『図説・からだの仕組みと働き』医歯薬出版(株) (文責:花田) |