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からだの『なぜ・何』

『血液検査』について

からだの『なぜ・何』では、身近な健康に関する疑問にお答えしてまいります。今回は、前回に引き続き『血液検査』についての豆知識です。

今回は、急性膵炎に関係の深いアミラーゼについて掲載します。

◆アミラーゼ

アミラーゼって何?

アミラーゼは、でんぷんをブドウ糖に分解する消化酵素です。アミラーゼの主要な産生臓器は膵臓と唾液腺ですが、肝臓、小腸、卵管、肺、心筋など、体内のさまざまな臓器に存在することが知られています。ですから、古くから膵疾患の診断マーカーとして用いられてきて、他の膵酵素に比べて膵特異性が低い点がありますが、最も汎用されています。

この検査で何がわかるの?

アミラーゼを分泌する唾液腺や膵臓が障害され、細胞が破壊され分泌が妨げられると、アミラーゼが血中に流れ込み、さらに尿中に流れ出ます。そのために耳下腺炎や急性膵炎、慢性膵炎、膵臓癌などの病気があると血清アミラーゼや尿アミラーゼが上昇することから、これらの病気の診断や経過観察に役立ちます。

また、膵臓から分泌される膵型アミラーゼ(P型)は、唾液腺から分泌される唾液腺型アミラーゼ(S型)よりも尿中にあらわれやすいので、血清中と尿中のアミラーゼの値を比較することで診断に役立ちます。

検査結果の判定

急性膵炎は激しい腹痛を起こしますが、この場合にはアミラーゼ値が平常の5〜10倍に上昇します。発症から3〜4日で血清アミラーゼは正常に戻りますが、尿アミラーゼは高値が続きます。回復期にもアミラーゼ値が変動することがあり、重症の膵炎や膵嚢胞を合併しているときは、経過の長引くことがあります。

慢性膵炎や膵臓癌は2〜3倍の高値が持続しますが、慢性膵炎でも急性増悪期には急性と同じように上昇します。

急性耳下腺炎(おたふくかぜ)や唾石症など、唾液腺の病気でも血清アミラーゼは上昇しますが、ほおの腫れやあごの痛みで診断がつきます。

唾液腺の病気の場合は、S型アミラーゼだけが増加するので、アイソザイムの検査でわかります。尿アミラーゼは上昇しません。

胃、十二指腸潰瘍の穿孔、急性の胆管・胆嚢炎、腸閉塞、腹膜炎なども、膵臓が障害され膵液の排出が妨げられるために、P型のアミラーゼが上昇することがあります。

また、劇症肝炎、糖尿病性ケトーシス、腹部外傷では、しばしばS型アミラーゼは上昇します。

新生児は、膵組織の発達が不十分のために、血清アミラーゼ活性は低値です。

◎基準値
 血清…37〜125U/l
 尿……65〜700U/l

異常な場合に疑われる病気

(血清高値、尿高値)…急性膵炎、慢性膵炎の増悪期、膵臓癌、膵嚢胞、耳下腺炎、胃・十二指腸潰瘍(穿孔)、腹膜炎、腸閉塞
(血清だけ高値)…マクロアミラーゼ血症、腎不全、高唾液腺型アミラーゼ血症
(血清・尿ともに低値)…腎臓病末期、肝硬変、高度の糖尿病

【参考文献】
『検査のすべて』主婦の友社
『臨床検査データブック 2007〜2008』文光堂
『わかる! 検査値とケアのポイント』医学書院
『最新臨床検査のABC』日本医師会
『臨床検査項辞典』医歯薬出版株式会社
『異常値の出るメカニズム』医学書院

(文責:花田)


編集後記

猛暑の日々が続いています。子供たちは夏休みを謳歌している事と思います。

大人は海に涼を求めたいところではありますが、体調管理しながら仕事に精出し、暑さをのり越えたいものです。

(寺地)



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