| 今回は、肝臓病や心臓病など重篤な疾患を疑うときに検査される、最も一般的な検査であるAST(GOT)、ALT(GPT)を取り上げたいと思います。
◆AST(GOT) ALT(GPT)
AST(GOT) ALT(GPT)とはどんなの?
ヒトの細胞の中には体を正常に保つために、多くのたんぱく質が作られます。そもそもヒトの肝臓は約2500億個の細胞からなると言われ、その細胞の中で多くの物質が化学工場のように作られます。
反応が500種類ほど同時に動いていると言われ、そのとき仲介役として働くのが酵素です。その酵素の仲間のAST(GOT)、ALT(GPT)はアミノ酸を作る上で大切な働きをしています。AST(GOT)は、特に肝臓、心筋、骨格筋の細胞に多く含まれ、ALT(GPT)はおもに肝臓に含まれます。
【略称】
AST…アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
(GOT…グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ)
ALT…アラニンアミノトランスフェラーゼ
(GPT…グルタミン酸ピルビン酸トランスアミラーゼ)
この検査で何がわかるの?
肝臓の細胞が障害を受けて壊れると、AST(GOT)やALT(GPT)は血液中に流れ出て異常値を示します。
AST(GOT)は肝以外の心筋や筋肉に含まれていて、心筋梗塞や重症の筋肉疾患で異常値を示します。
ALT(GPT)はAST(GOT)より血中から消失する時間がかかるため、しばしば高値が続くという特徴があります。ALT(GPT)の方が高いときは肝臓の障害を疑います。
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異常値のとき何を疑うの?
◎AST(GOT)
(上昇):肝障害(急性・慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝)、心疾患(急性心筋梗塞)、筋疾患(筋ジストロフィーなど)、溶血性疾患、マクロAST、その他激しい運動、溶血など
(低値):ビタミンB6欠乏
◎ALT(GPT)
(上昇):肝障害(急性肝炎、アルコール性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝)、胆道疾患など
(低値):ビタミンB6欠乏
◎基準値
AST(GOT)…10〜40 U/L
ALT(GPT)…5〜40 U/L
◎検査を受けるときの注意
検査前日の激しい運動や飲酒で検査値が上昇することがあるので、検査前日は控えめにしましょう。
【参考文献】
『検査のすべて』 主婦の友社
『病院で受ける検査がわかる本』 法研
『図解生化学検査のしくみ』 日本実業出版社
『臨床検査データブック 2007〜2008』 医学書院
『患者さんに伝える臨床検査の説明マニュアル』 医歯薬出版株式会社
(文責:花田) |