泌尿器科
はじめに
当院の泌尿器科は1992年4月より鹿児島大学泌尿器科学教室からの派遣で常勤体制が始まりました。医局員の増減により常勤医が1人の時代もありましたが、現在は部長の古郷,医長の上野の2人体制で日々外来·手術をこなしております。3年前の赴任当初は比較的患者さんの話もゆっくり聞ける状態でしたが最近では手術件数の増加とともにあわただしい毎日になっております。(もちろん今も患者さんの話はしっかり聞いています。)
泌尿器科は癌、排尿障害(尿勢低下、頻尿、尿失禁など)、尿路結石、腎不全、尿路感染症、性病、女性の骨盤内臓器脱(膀脱脱、子宮脱、直腸脱)、男性更年期障害など扱う疾患が多岐にわたります。手術に関して言えば、当院泌尿器科は北薩地区で唯一の全身麻酔下の大手術が可能な病院です。地域の中核病院として、多くの方が地元で治療が受けられるよう、その役割に対する期待に応えられるよう、より良い医療を提供できるように頑張っていきたいと思います。
外来
外来診療は月、水、木、金曜の午前中に行っており、基本的には予約制です。救急外来を通して来られた急患の方は、365日24時間受け付けております。科の方針として「我々を頼って来た、困っている患者を断らない』をモットーとしておりますので、泌尿器疾患が疑われる場合はいつでもご相談下さい。
月・水·金の午後は検壺·処置(尿管ステン卜留置・交換、前立腺生検、体外衝撃波尿路結石砕石術など)を行っております。2020年度の前立腺生検件数は59例でした。
入院
病院最上階の8 階を主病棟としております。
急患や手術症例などで急性期管理を終えた方は、5階病棟(地域包括病棟)へ転棟し入院管理をしております。また、透析を行っている方が他科に入院した場合や、緊急の血液浄化療法が必要な場合は、泌尿器科が介入し併診させて頂いております。
師朝・毎夕、泌尿器科2 人で病棟回診を行っており、話し合いをしながら診療を進めるチーム医療を行い、2人とも主治医として対応しております。金曜日は、病棟看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、栄養士、社会福祉士とともに多載種カンファレンスも行っております。カンファレンスを通して、個々の患者の退院に向けた最適なゴール設定を行っています。また、複数の目で患者を診察するので、見落としがなくなり、適切な治療を適切なタイミングで行なえるというチーム医療のメリットも実践されております。
手術
火曜日終日と木曜日午後に手術を行っています。近年患者様の体に負担の少ない手術ということで,ロボット手術や腹腔鏡手術が普及しています。当科でも2名ともが泌尿器内視鏡外科学会の腹腔鏡技術認定医の資格を取得しており、主に前立腺癌、腎癌,膀脱癌に対し腹腔鏡手術を施行しております。手術翌日から歩行・食事も可能であり患者様からも好評を得ています。
手術の内訳は下記の通りでした。
手術実績(2020年4月1日~2021年3月31日)手術総件数: 220件 | |
腹腔鏡下前立腺全摘術 | 23例 |
腹腔鏡下腎·尿管悪性腫瘍手術 | 7例 |
腹腔鏡下膀胱全摘術(回腸導管) | 2例 |
腹腔鏡下膀洸脱修復術 | 2例 |
TURP(経尿道的前立腺切除術) | 23例 |
TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術) | 61例 |
TUL(経尿道的尿管結石砕石術) | 63例 |
膀脱結石砕石術 | 5例 |
シャント関連手術(グラフト留置術、動脈表在化含む) | 4例 |
その他 精巣捻転解除術1 例、精巣悪性腫瘍手術(高位除睾術) 2 例、陰嚢水腫根治術3 例、真性包茎手術(環状切開術) 2 例、膿瘍穿刺·切開ドレナージ3 例、経尿道的凝固止血術2 例、経尿道的尿道狭窄切開術1 例、膀脱痕造設術8 例、腎痕造設術8 例 |
30例 |
人事
氏 名 | 期 間 |
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鶴田 雅史 | 2022年4月~現在 |
岡村 俊介 | 2022年4月~現在 |