耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科 山下 勝
1.自己紹介
はじめまして、2020年6月より、非常勤医師として外来診療を担当しております山下 勝と申します。
まずは自己紹介からさせていただきます。私は平成8年に鹿児島大学医学部医学科を卒業し、京都大学ならびに関連病院(静岡市立静岡病院、西神戸医療センター)にて診療を行い、京都大学大学院博士課程を修了。米国ウィスコンシン大学マディソン校に留学し、主に頭頸部臓器の再生研究、幹細胞研究を行ってきました。帰国後は滋賀県の草津総合病院(温泉地ではありません)、大阪の北野病院、京都大学大学院助教・病棟医長を経験し、平成30年から静岡県立総合病院部長となりました。静岡を終の棲家とするつもりで赴任しましたが、縁あって、令和2年5月より鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野を主宰することとなりました。
2.外来診療体制
現在、耳鼻咽喉科外来診療は火曜日(山下)と金曜日(鹿児島大学教室員)の週2回行っております。限られた範囲のなかで診療を行っておりますので、診療予約や待ち時間などで大変ご迷惑をおかけしておりますが、何卒ご理解をお願い申し上げます。
鹿児島県内において耳鼻咽喉科・頭頸部外科勤務医は希少種(というより絶滅危惧種に近い)となっております。病院の耳鼻咽喉科常勤医は鹿児島市内の基幹病院、霧島市立医師会医療センターにしか配置できていない状況です。阿久根地区のみでなく、離島を含めた県内の広範な病院診療を大学の教室員で何とか支えています。
緊急手術や入院診療は大学病院を中心に対応しておりますが、めまい(眩暈症)、突発性難聴(突然片側の耳がきこえなくなる)、顔面神経麻痺、急性扁桃炎など点滴治療のみで対応可能な例では各診療科の先生方と連携を取り広域医療センターでの入院加療を行うこともあります。
3.対応疾患
耳科疾患、鼻科疾患、口腔・咽頭疾患、喉頭疾患、頭頸部腫瘍と、すべての耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患に対応しています。
従来、組織を一部とる検査(組織試験採取・穿刺吸引細胞診)なども大学病院へと紹介しておりましたが、現在は特殊なものを除いて、外来日帰り対応にて行っております。また、局所麻酔下に短時間で行うことのできる手術も行っています。
狭帯域光観察(NBI)に対応した最新の電子内視鏡、処置用ポート付き電子内視鏡、鼻科手術用硬性内視鏡、耳科用顕微鏡、超音波検査装置など、機器も定期的に更新し万全の診療体制をとっております。
もちろん、重症疾患のみでなく、軽症やそもそも病気があるかどうかもわからない患者さんにも対応します。耳あかをとって欲しい、最近聞こえがわるくなってきた、鼻がつまる、鼻水がでる、のどに違和感がある、などの患者さんも積極的にご紹介いただけますと幸いです。仮に何もないとの診断となっても、決してがっかりすることではありません。ご紹介いただいた先生も、患者さんも、私たちも、「何もなくて良かった」という安心を得ることができます。「こんな症状で受診に来たんですか?」なんてことは決して言いませんので、ご安心ください。
4.診療実績
2021年度のべ外来患者数は2437名(初診150名)、聴力検査件数は329件でした。
手術件数は21件であり、内訳は多いものから鼻腔粘膜焼灼術(鼻出血の止血)9件、鼓膜切開術5件、咽頭異物摘出術、外耳道異物除去術、鼓膜チューブ挿入術、唾石摘出術(浅在性)、唾石摘出術(深在性)、中咽頭腫瘍摘出術、鼻茸(ポリープ)摘出術各1件でした。
5.さいごに
耳鼻咽喉科・頭頸部外科は聴覚、嗅覚、味覚という多くの感覚器を扱い、呼吸・発声・嚥下という生命維持や意思疎通に必須な機能をつかさどる内科および外科です。
難聴の放置が認知機能の低下を促進する、ということも近年わかってきております。残っている機能を少しでも多く引き出し、患者さんによりよいQOLを提供できるお手伝いが出来ればと思います。皆様の応援をよろしくお願いいたします。